出来ることを見つけよう

今回は、『音に敏感で不登校になった男の子 「自分にできることはないか」自信をくれたケーキ作り』、『「何もない」がコンプレックスだった自尊心を、自分の文章が満たす』、『「周りができるのに自分だけできない」学習障害と不登校で絶望の淵に「自信を取り戻してくれたのはミシンだった」』という記事をご紹介します。

これらの記事に共通しているのは、周囲と比べると出来ないことだらけで自信を失くしていた人が自信を取り戻したというもの。

そして、自信を取り戻せたのは自分の好きなことや得意なことを突き詰めたからという点です。

ケーキ作りや作文、ミシンは小中の義務教育では少ししか学ばない教科です。

ですが、ケーキ屋さんは全国どこにでも必ずありますし、記事を書く職業の人も大勢います。ミシンで作業をする人がいなければ、素敵なお洋服は作られないでしょう。

義務教育では少ししか学ばない教科でも、それを職業にしている人はこの世の中に大勢いるのです。

学校でたくさん学ぶことになる5教科は知識・教養として身に付けておいた方が良いものではありますが、それが直接仕事で役に立つかと問われると、そうでもないという場合もたくさんあります。

町のケーキ屋さんなら美味しいケーキが作れれば良いのです。記者なら有意義な記事が書ければ良いのです。裁縫業ならミシンで作業出来れば良いのです。

もちろん、義務教育レベル以上の知識・教養はあった方が良いでしょうが、それらは主な仕事に必須ではありません。どちらかというと、主な仕事に付いてくる事務手続きや仕入れ・販売などで必要なのです。つまりは別の仕事です。

別の仕事なのであれば、それらが得意な人に任せてしまえば良いのです。苦手なことはしなくて済むところへ行けば良いのです。

やりたいこと、出来ることが思う存分出来る場所へ行きましょう。やりたくないこと、出来ないことを強要してくる場所からはさっさと逃げましょう。

不思議なもので、本人にとって幸せな環境で過ごしていると、出来ることがどんどん増えていったりします。苦手なことも少しなら出来るようになったりします。

逆に言えば、本人にとって苦しい環境にいると、出来ていたこともどんどん出来なくなってしまうのです。

まずは、本人にとって苦しい環境を幸せな環境に変えましょう。そこから、本人が何がしたいのか、何が出来るのかをじっくり考えてください。

本人が何をしたいのか良く分からない時は、本人が人から褒められたことや感謝されたことを思い出してください。それこそが本人の得意なことや出来ることですから、したいことが見つかるまでまずはそちら方面を目指すと良いのではないでしょうか。

目指す場所が見つかった後、そこから仕事、つまりは進路に繋げるには保護者の知恵や知識が必要になってきます。

今はネットで情報収集出来ますから、本人のためにたくさん情報収集してください。選択肢を提示してください。

そして、どの進路にするかは本人に選ばせてください。決して親が勝手に決めたりしないでください。

もちろん、金銭的な問題もあるでしょうし、家から遠いなど地理的な問題もあると思います。学力的な問題もあるでしょうし、進学先で想定される問題もあるでしょう。

それらも全部包み隠さず説明した上で、進学先は本人に決めてもらい、本人が決めたことであれば後は応援してあげてください。

自分で決めたことなら、保護者が思っていた以上にあっさりと問題を乗り越えられたりします。あれこれと出来るようになったりします。

やりたいことや出来ることに向かって進んでいるのならなおのこと、保護者の想像の何倍もの速度で成長することもあるでしょう。

本人の進む道を応援してあげてください。楽しく学校生活を送れるようサポートしてあげてください。

たった一度きりの人生です。本人が自分の人生を楽しめるよう出来るだけのことをしてあげてくださいね。

そして、保護者にとってもたった一度きりの人生です。本人のために一生懸命なのも良いですが、自分も人生を楽しめるよう疲れた時はしっかりと休んで推し活など楽しいことをしましょうね。

もし、仕事や進路で悩んだ時は私たちにご相談ください。選択肢の一つくらいは提示出来るのではないかなと思います。

言葉にしよう態度に出そう

今回は、『【完璧主義、自己批判しがちな人に】肯定する力「自己受容」を高める方法を精神科医が解説』という記事をご紹介します。

発達にでこぼこがある子は出来ないことが多く、自己肯定感が低くなりがちです。

あれも出来ない、これも出来ないと出来ないことにばかり目が向いて、自分の出来ている所や良い所には気付かないこともしばしば。

周囲も本人の出来ないことばかりを口にするので、ただでさえ低い本人の自己肯定感を高めるのは困難を極めます。

ですが、たった一人。たった一人でも本人を心の底から大切にしている存在がいれば、本人の自己肯定感は一定以上に保たれるのです。下がり続けるなんてことにはなりません。

ただ、心の中でどれだけ本人を大切に思っていたとしても、本人にそれが伝わっていないことがあるので注意が必要です。

例えば、普段から言葉では大切な存在だと本人に言っていたとしても、体罰していたり興味関心を向けていなかったり否定してばかりであれば、本人にとって言葉は上辺だけのモノに成り下がってしまいます。

そんな相手からの言葉は全く信用できませんし、大切に思っているなんて少しも伝わりません。むしろ言葉が尽くされれば尽くされるほど反発しますし、より信用がなくなってしまうでしょう。

また、態度では大切にしていたとしても言葉では大切だと言っていない場合でも、本人が不安になってしまうことがあります。

大切にされているとは思うけれど、面と向かってハッキリとそう言われたわけではないし、自分の勘違いかもしれない。

不安感というモノはやっかいで、一度そう思い始めたら全てのモノやコトをネガティブに捉えてしまうようになるのです。

そうなる前に、本人に言葉でも伝えてあげてください。

恥ずかしいとか、言わなくても分かるだろとか、そういうのは脇に置いておいて、勘違いしようがないほどの直球ストレートな言葉で、直球ストレートな保護者の気持ちを本人に伝えてあげてください。

ほんの数回であっても、直球ストレートな気持ちを直球ストレートな言葉で伝えれば、本人の中で”大切にされているような気がする”から”大切にされている”という確信に変わります。

そうなると、普段の態度だけでも”大切にされている”と本人にビシバシ伝わるようになるので、本人の自己肯定感も一定以上は下がらなくなるというわけです。

もちろん、本人と保護者は別個の人間ですから、本人が求めている言葉や態度と食い違うことも充分あると思います。

その事も本人に伝えておいてください。

明後日なことを言ったり態度を取る事もあるかもしれないけれど、あなたのことを大切に思っている事だけは忘れないでと。

そして、明後日なことを言ったり態度を取ったりした時は教えて欲しいとも伝えてください。

何が嬉しくて何が嫌なのか、保護者であっても本人の気持ちは全部は分かりません。勘違いやすれ違いを避けるためにも本人に教えてもらうのが一番です。

その本人の気持ちもその時の気分次第で変わる事も多く、振り回される周囲は大変だと思いますが、本人とのコミュニケーションだけは疎かにしないでください。細々とでも続けてください。

本人との間に実績を伴って築かれた信頼は、ちょっとやそっとでは揺らがない絆となります。その揺るがない絆こそが、発達にでこぼこのある子にとっての命綱となり得るのです。

丁寧に丁寧に信頼関係を築いてください。崩れそうになっても諦めずに根気強く信頼関係を築き直してください。

最初はティッシュで作ったこよりのように頼りない絆でも、長い時間をかけて辛抱強く信頼関係を築いていけば、太くて丈夫な命綱になります。

あ、本人を大切にするあまり自分を疎かにしたりしないでくださいね。

自分を大切に出来なければ、家族とはいえ他人を大切になんて出来ません。まずは自分を大切にしましょう。甘やかしましょう。

そして、しんどいのに誰も助けてくれない時は私たちを頼ってください。細くて頼りないかもしれませんが、あなたの命綱の一本になれるのなら、私たちはいつでも相談に乗ります。

困りごとは小さいうちに

今回は、『発達障害の増加で「児童精神科の待機問題」が深刻 通常学級の11人に1人、特別支援学級の子も倍増』という記事をご紹介します。

メディアなどで発達障がいが取り上げられるようになり、世間での認知度が上がるにつれて「うちの子もそうなのでは?」と思い始めた保護者も多いのではないかと思います。

何となく育て辛さを感じていた。ちょっとしたことで泣き喚くので困っている。色々とミスが多く、そのフォローで時間が取られてしまう。学校の勉強について行けていない。しょっちゅうモノを失くしたり壊したりする。

こういうことがありながらも、でも少しだけだし、”普通”の子とそれほど変わらないし、と何も行動しないのは自分の首をじわじわと絞めているだけかもしれません。

何事もそうですが、問題が発生してから対処するのと、問題が発生しないように対処するのとでは、困難さが段違いだからです。

では、子どものちょっとした違和感についてはどう対処すれば良いのでしょう。

答えは簡単です。発達にでこぼこがあろうがなかろうが、ペアレント・トレーニングをしてしまえば良いのです。

ちょっとしたことで泣き喚く時は、基本的に放っておきましょう。

泣き喚けば自分の思い通りになる、親が構ってくれると学習すると、大声で喚き散らして自分の思い通りにしようとする迷惑な大人になってしまいます。泣き止んだら泣き止めたねと褒めてあげることで、泣くよりも泣かない方が話を聞いてもらえる構ってもらえると学習し、泣き喚くこと自体が減っていきます。

色々とミスをするのなら、そのフォローが自分で出来るように指導してください。

最初のうちは難しいでしょうが、毎回同じ手順を繰り返しロボットのように伝えていると、そのうち伝えなくても自分から手順を踏んで作業が出来るようになってきます。フォローしなくても良くなります。

それに、本人が自分でフォローするようになると、フォローが面倒なのかミスの数も自然と減っていきます。

学校の勉強について行けていない時は、何が原因で躓いているのかの見極めをしてください。

前の学年での理解が足りていなかったという場合は、前の学年のやり直しをすればついて行けるようになりますが、読み辛い、書き辛い、計算が苦手などが原因の場合は、保護者だけでは対処が難しくなります。

そんな時は専門家を早めに頼ってください。自分ではどうしようもないことで悩んでいるより、専門家の知識と技術に頼った方が自分のためにも本人のためにも良いです。

しょっちゅうモノを失くしたり壊したりする場合は、しょっちゅう失くしたり壊されても良い安モノを買い与えつつ、失くさないようにするにはどうすれば良いか本人と一緒に考えてください。

例えば傘。

朝は雨が降っていたけど帰る時にはやんでいたという場合、傘を持ち帰るのを忘れがちです。

傘の存在を忘れなければ良いのですから、好きなキャラクターの絵が描かれた傘だとか、好きなキャラクターのマスコットを付けるとかした上で、雨の日に傘を持ち出す時に必ず一言「傘も一緒に連れて帰ってあげてね」と声を掛けてください。

ここで大事なのは、「傘を忘れないようにね」ではないことです。

傘を単なる無機物ではなく、自分と一緒に連れて帰るべきモノという認識が少しでも付けば、愛着が湧いて大事にするようにもなります。壊さなくなります。

このようなペアレント・トレーニングをしていてもなかなか改善がされず、本人や保護者の心身の状態がじわじわと悪化してきたという場合は、専門家に早めに診てもらうことが保護者がすべき行動です。

一人の力には限界があります。ですが、助けてくれる人は必ずいます。

必ずいますが、声をあげてくれなければ気付けないのです。分からないのです。

こんなことぐらいでと思わず、困っていることがあるのなら私たちでも良いのでご相談ください。

幸い、誰でも気軽に参加出来るイベントが近々開催されます。

まずはこのイベントに参加してみて、それからちょっとだけ勇気を出して「相談があるんですが」と声を掛けてみてください。私たちはあなたからのご相談をお待ちしています。

ご褒美は積極的に

今回は、『頑張った自分への「ご褒美」脳にもプラスに働く訳 「報酬系」という脳の神経ネットワークが活性』という記事をご紹介します。

発達にでこぼこがある子は、周囲から「やる気がない」「すぐ面倒臭がる」「怠けている」と思われがちです。

ですがそれは、”普通”の人なら簡単にこなせることでも大変な場合が多く、得られる結果が”普通”の人と同じだったとしても、本人にとって割に合わないと感じてしまうからです。

人間は、掛けた労力に対して結果が良くないと、余程のことが無い限り次もやろうとは思いません。やるだけ無駄だと思ってしまいます。

例えば、多くの人が挫折しがちなダイエット。

体重を減らしたいという気持ちだけで始めると、キツイ筋トレや厳しい食事制限を頑張ったのに体重が少ししか減らなかったという結果が出た瞬間、やる気が一気にしぼんでしまいます。

掛けた労力に対して得られた結果が小さ過ぎたためです。

こんなに頑張ったんだから結構減っただろうとワクワクしながら体重計に乗ったのに、それほど変わらなかったとなればガッカリしてしまいますよね。

発達にでこぼこのある子は、このガッガリを結構な頻度で味わっています。

周囲の子たちと同じ結果を得るためにクタクタになるまで頑張ったのに、結果は同じどころかそれよりも悪かったりするのです。やる気を無くして当然ですよね。

では、出来ることだけをやっていれば良いかというと、長い人生の中でそういうわけにもいかない場面も出て来るはずです。

やりたくないけどやらなきゃいけない、そんな場面が出て来た時にもしっかりとやれるよう、小さい子どものうちから訓練をしていきましょう。

まず最初に、「やる気がない」「すぐ面倒臭がる」「怠けている」ように見える本人に、掛けた労力に対して得られる結果が小さ過ぎてやる気が出なくなるのだと教えてあげて下さい。

そして、そんな現状を変えるために、自分が大変だな、面倒だなと感じているモノ全てにご褒美システムを設置するよう促してください。

朝起きる、歯磨きをする、学校へ行く、宿題をやる、お風呂に入るなど全てのモノです。

お菓子などのお金が掛かるご褒美は絶対に続かないので、それは特別疲れる日や特別疲れるような出来事に対してのご褒美として取っておき、普段はお金が掛からないご褒美にします。

保護者からの褒め言葉やシール、動画を見る時間など、毎日あげても大丈夫なご褒美を本人と一緒に設定して、出来たことに対してご褒美を与えます。

お財布と相談しながら、1週間ごとに保護者からのご褒美をサプライズであげたり、1ヶ月ごとに本人が好きな外食に連れて行くなどのご褒美も設定しましょう。

もうお分かりだろうと思いますが、褒め言葉を与えることになる保護者は最初は大変です。大変ですが、これがずっと続くわけではありません。

大きくなるにつれて、朝起きただけでえらいねと褒められることを喜ばなくなるでしょうし、お風呂に入っただけで褒められるのを恥ずかしいから止めろと言われるようにもなるでしょう。

早ければ数日、長くても数年です。たった数年続けられれば、毎日褒めなくても大丈夫になります。というか、褒められるのを嫌がるようになります。もう子どもじゃないんだからと。

保護者としては少し淋しい瞬間ですが、成長の証でもあります。褒めなくても良くなったのは喜ばしいことですが、かと言って、もう褒めなくても良いかというとそうでもありません。

本人がストレスを抱えている時や疲れている時などは、朝起きるのもお風呂に入るのも大変になるからです。

そんな時は是非とも褒めてあげてください。子ども扱いしてあげてください。

子ども扱いするなと嫌がりながらも、満更でも無さそうな顔が見られるのではないでしょうか。

そして、大変なのは大人も一緒です。子どもと違って褒めてくれる人がいないのなら、自分で自分を褒めましょう。

毎日朝起きててえらい。ご飯作っててえらい。子どもの面倒見ててえらい。

ちょっと大変だなと思うことをやった時、しっかりと自分に対してえらいえらいとヨシヨシしてあげてください。褒めてあげてください。

そして、本人にあげるサプライズなご褒美や月に一度の外食というご褒美を自分も一緒に味わってしまいましょう。自分にもご褒美をあげましょう。

間違っても、あれも出来てないこれも出来てないと自分を責めちゃダメです。

そうやって得られるモノは、タスクをいっぱい抱え込んでイライラする自分と、そんな自分に対する自己嫌悪と、イライラしている自分に影響を受けて不安定さが増す本人です。メリットは一つもない負のループ入りです。

そんな負のループに入りそうな時は私たちにご相談ください。溜まっている愚痴を吐き出してスッキリして、良いループに入れるようにしましょうね。

感受性をコントロールしよう

今回は、『「普通」を求める学校、部屋にこもった日々 演出家・宮本亞門さんからあなたへ』という記事をご紹介します。

小学校・中学校という義務教育の期間中、学校生活が息苦しくなってしまう子は発達にでこぼこがある・なしに関わらず多いと思います。

息苦しさを感じてしまう理由は、感受性が豊かで繊細な子だから。

他人と自分との違いに気付きやすかったり、他人の感情に影響を受けやすかったり、周囲が求める”普通”になろうと一生懸命だったりするのは、その子が持つ強みでもありますが、周囲に振り回されてしまうので疲れやすくもあります。

それなら周囲に振り回されないようにすれば良いのでは、と思われるかもしれませんが、そう簡単な話でもありません。

感受性を自分である程度コントロール出来るようになるには、たくさんの経験を積まなければならないからです。結構な時間がかかります。

子どものうちは全力で受け止めてしまうので、周囲に振り回されまくって感情のジェットコースターを味わい、ぐったりするまで疲れるか、もうイヤだと癇癪(かんしゃく)を起こしてしまったりもします。

自分が感受性が豊かなことに気付いていなかったりするので、元気で楽しそうに毎日を過ごしている同級生たちを見て、自分との違いに落ち込んだりもするでしょう。

人が多ければ多いほど色んなものを感じてしまうので、感受性の豊かな子にとって学校という場所は鬼門とも言えます。

では、感受性が豊かな子は学校へ通えなくなっても仕方ないのかというと、そうではありません。

感受性が豊かな子でも通えるよう、本人側と学校側がお互いに歩み寄る必要があります。

まず、感受性が豊かな本人側は、自分が感受性が豊かなのだという自覚を持つことから始めましょう。

学校が息苦しく感じるのもそのせいで、他の子たちが元気で楽しそうに学校生活を送っているのもそのせいで、自分がそういう気質なのは自分に悪いところや劣っているところがあるからではないという自覚を持たせてください。

そして、本来なら自分や他人の周囲には薄い見えない壁があり、他人の感情はその見えない壁で防がれて自分には少ししか届かないはずが、今の自分の状態はむき出しに近く、だから他人の感情に影響を受けやすいのだと説明してあげてください。

そうなると、じゃあ壁を作って防ごうという話になると思いますが、ここで大事なポイントが一つ。

自分の周囲に見えない壁を作る時は”薄く”作ることを心掛けさせてください。他人の感情だけが自分の中に勝手に入って来ないようにするイメージです。

感受性の豊かな子は、他人に傷付けられた経験から自分の周囲に高く分厚い壁を何重にも作りがちです。

誰も信用しません、近付けさせませんとアピールしているようなものなので、お友だちになりたいなと思ってくれた子も近付けなくなってしまいます。

人付き合いが面倒でお友だちは必要ないという子なら良いのですが、お友だちが欲しい子なら自分の周囲に作る壁は”薄く”した方が良いでしょう。

そうやって本人が”薄い”壁を試行錯誤しながら作る間、周囲は本人が学校へ行くというか外に出るだけで相当疲れるということを理解してあげてください。労ってあげてください。

そして、学校側には本人が感受性豊かな子であること、そのせいで傷付きやすく、疲れやすい子であることを伝えてください。

そうすれば、担任の先生も多少なりとも配慮してくれるでしょうし、配慮してもらえなかったとしても、発熱などの体調不良以外で学校をお休みする本人の心理的な負担が減ります。

先生側に”疲れやすい”という理由が伝わっているからです。

何の理由もなく学校へ行かないという選択をするのは、子どもにとって大きな負担です。子どもは学校は行かなければならないもの、行かなければダメな子扱いされるものだと思い込んでいます。

学校をお休みするために本当は痛くないのに頭が痛いとかお腹が痛いと嘘を吐くと、嘘を吐く自分に嫌悪感を抱いて自己肯定感が下がってしまったりするので、”すごく疲れてしまっているから”という理由で学校をお休みできるのは本人にとって心強いのではないでしょうか。

夏休みが終わって学校が始まったばかりの今、子どもたちは誰しも疲れが見え始める時期です。

「学校に行きたくない」という言葉が子どもから出て来る前に、久々の学校で疲れちゃうよねと本人を労ってあげてくださいね。それだけで救われる子もきっといます。

そして、夏休みを乗り越えた保護者の皆さまもお疲れのはず。本人と一緒に自分も労ってあげてくださいね。

息抜きをしたい時は私たちにご相談ください。夏休みを乗り越えた同志の私たちがお待ちしております。