睡眠不足は万病の元(1)

今回は、「子どもの睡眠障害 夜型化のリスクや原因となる病気」という記事をご紹介します。

子どもの睡眠に関して、生まれた頃からずっと悩みを抱えているという方は多いのではないでしょうか。

乳幼児期は夜泣きに悩み、幼少期はお昼寝してしまって夜なかなか寝てくれないと悩み、思春期を迎える頃にはスマホやゲームに夢中で寝てくれないと悩み、朝は起こしても起こしても起きてくれない子どもに悩む。

これらは発達にでこぼこがある・ないに関わらず、子育て中の保護者が抱えがちな悩みですよね。

発達にでこぼこのある子は特に、やりたいことをやらないと気が済まないという特性も相まって睡眠時間が短くなってしまいがちです。

他にも、「やらなくてはいけないこと」と「やりたいこと」は終わっているけれど、「ストレス発散」が出来ていないという場合でも寝たがらないことがあります。

日中ずっと起きていて眠いはずなのに無理して起きているわけですから、夜が深くなれば深くなるほど機嫌は急降下。

やりたいことが終わっていない、ストレスが発散できていないという状況下で「早く寝なさい」と言われても納得出来ず、盛大な癇癪に繋がるわけです。

こう考えると、「早く寝なさい」という声かけはあまり効果がないどころか、ヘタをすると逆効果だということが分かりますよね。

では、どうすれば早く眠ってくれるようになるのでしょう。

そもそも、人はそれぞれ適した睡眠時間というものを持っています。

家族とはいえ別の人間ですから、自分が「これくらい寝れば大丈夫なはず」と思っている睡眠時間は、その子にとっては長すぎたり短すぎたりするのです。

ですから、まずはその子に適した睡眠時間を把握することから始めてください。

適した睡眠時間とは、「日中あまり眠くならない」が一つの目安になります。

中途半端な時間帯に寝落ちてしまう。

ボーッとしていていつもより頭が働いていない感がある。普段よりミスが多い。

ずっと機嫌が悪い。

こういう状態の時は睡眠時間が足りていない可能性が高いですから、本人に上記のような状態であること、睡眠時間が足りていない可能性が高いことを伝えて、1週間ほど睡眠時間を少しだけ(30分ほど)長くとってみるよう声かけをします。

もし、上記をそのまま伝えても本人が納得してくれなさそうな場合は以下のような声かけを試してみてください。

中途半端な時間帯に寝落ちたら夜眠れなくなり、寝不足になってしまう。寝不足の状態が続くと身体が悲鳴を上げてしまう。

いつもなら出来ていることが出来ないのは睡眠不足が原因かも。

イライラするのは睡眠が足りていないのかも。

どういう伝え方をすると本人に伝わるかは、身近にいる人にしか分かりませんが、本人の身体と心を一番に考えた伝え方が最も大事で効果的だと思います。

もし、これらの声かけをして本人が実践してくれなかったとしても、それは時期ではなかったというだけのこと。

本人が寝不足で体調を崩してしまった時や、メンタルが弱っている時に再び提案してみると、割とすんなり受け入れてくれるかもしれません。

睡眠時間を増やしてみて改善が見られたら、睡眠不足が原因だったということになりますから、改善が見られたことを伝えつつ、試してみてどうだったか本人に感想を聞いてみてください。

本人に、色々なことが改善されているという自覚が得られたら大成功です。

増やした睡眠時間を続けた方が良いという理屈が本人の中で出来上がります。

もちろん、年齢が上がるにつれて適した睡眠時間は変化していきます。

幼少期はたっぷり寝ないと機嫌が悪かった子が、大人とそう変わらない睡眠時間で大丈夫になってきた。

子どもの成長を感じる瞬間ですが、人は変化するものという認識が周囲にも本人にもあまり無かったりします。

ですので、そのことも踏まえて色々なことを伝えてあげてください。

今はこの睡眠時間が最適だけど、年齢が上がれば変わってくること。

ストレスが掛かっている時や疲れている時は、意識して睡眠時間を増やした方が良いこと。

眠ることでしか身体と心の疲れは回復できないこと。

身体と心の疲れをそのままにしておくと、大事な身体と心が壊れてしまうこと。

身体と心が一度壊れてしまうと、元に戻るのにものすごく時間がかかること。

一番大切なのは、本人が心身共に健康に過ごすことですから、そのことを周囲だけではなく本人にも自覚させるよう声かけを行なっていくと、いわゆる自己肯定感も上がっていくのではないかなと思います。

本人に適した睡眠時間が分かったところで、早く寝てもらう方法については次回お知らせしますね。

睡眠不足は本人だけではなく支える側も抱えがちです。あまり無理せず、溜め込まず、吐き出したい時は私たちを頼ってくださいね。お待ちしています。